複層ガラス
複層ガラスは複数枚のガラスの間に一定の空間(中空層)を保つ構造をした断熱ガラスです。
複層ガラス?ペアガラス?
複層ガラスはペアガラスと呼ばれる事も多いのですが、もともとこれはAGCが登録商標した「ペアガラス」というガラス製品の名称で、これまで複層ガラスの代名詞的に使われてきました。
しかし現在は、トリプルガラス(3枚仕様のガラス)が登場しているため、2枚のガラスで構成されるペアガラス=複層ガラスとは言えなくなってきていて、断熱性を持つ複層ガラスと総称し、ペアガラスはその中の一つとして認識されていくようになっていくと考えております。
その為、以降、2枚組のペアガラスと呼ばれているガラスを前提に、ここでは複層ガラスとしてご紹介していきますのでご了承ください。
複層ガラスの特徴
参考データ:日本板硝子.ペアマルチ3mmガラス中間層12mm
複層ガラスは反対側面からの熱が伝わりにく、保温性があります。
ガラスの間の空気層の幅が広がるにしたがい断熱効果が上がるので、その違いでも複数のグレードが各メーカーで用意されています。
複層ガラスのメリット
上記特徴により、窓に取り付ける事で、夏の熱気や冬場の冷気の室内への影響を軽減し、冷暖房を使用した際も効率良く運用出来る事から、目的に合ったタイプの複層ガラスを採用することで室内環境を改善でき、消費燃料(電力)を抑えられる事に繋がります。
結露を軽減
参考データ:日本板硝子.ペアマルチ3mmガラス中間層12mm
単板ガラスと比較して複層ガラスは熱伝導が少ないため、結露が起きにくいというメリットも有ります。
中側の面が雲ってしまわないか心配になられる方もおられますが、乾燥材などを封入している事で内部結露が起きないよう配慮されています。
複層ガラスのデメリット
複層ガラスは厚さがあるため、リフォーム(ガラス交換)をされる場合に、そのままの障子に収まらない場合があり、開口の広いサッシ供に交換するか、アタッチメントを使用しての取り付けとなり、その場合、ガラス面が少し狭まります。
複層ガラスの仕様や状況にもよりますが、単板ガラスより熱割れしやすい傾向にあります。
また、10年程の保証がされる事もある事から、それ以降に内部結露が発生する可能性があります。
スタンダードな複層ガラスも値段は高くなりますが、より高断熱仕様になるつれ高額になります。
複層ガラスの種類(仕様)
複層ガラスにはスタンダードなものから、エコガラスと呼ばれる高断熱(遮熱仕様も有)タイプのlow-e複層ガラス(アルゴンガスを封入したより高断熱仕様も有)、その中には厚みを抑えて、既存のサッシにそのまま入れる事が出来る真空ガラススペーシアなどがあります。
その他に、中空層にブラインドや格子が収まったものから、防犯や防火、遮熱、強化ガラスなど、各種ガラスの組み合わせによる機能の違いもあり、様々なシーンに対応出来、これから更に普及していくものと思われます。
複層ガラスのガラス割れ、リフォームをご検討されてお悩みでしたら、ガラス修理屋netまでご相談下さい。
複層ガラスは受注生産ですので、納期に10日前後かかり、ご依頼をいただいてから施工までにお時間をいただく事になります。ご了承下さい。
片方の一枚が割れた複層ガラスについて
破損した複層ガラスのお問い合わせでよくある話なのですが、割れた方の一枚だけを交換出来ると思われて、ガラス修理をお願いします、というご相談内容です。
私たちガラス屋では常識でも、一般の方は当然の事ながら殆んど知る事がなくご説明をしていますが、複層ガラスはガラス同士に空間を作る為、乾燥剤が組み込まれたスペーサーという部品によって密閉された作りとなっています。
その中は、乾燥状態が維持され、またガスが封入されている場合もあり、割れて内部が露出すると、断熱や内部の結露を抑える効果が失われてしまいます。
一式交換扱いとなります
上記の様な理由から、誠に申し訳ありませんが、複層ガラスは一体形成という事で、片方のガラスのみを入れ換えるという方法での修理を行う事が基本的に出来ない製品となっていまして、割れた場合の対処しては、サッシに嵌まっている複層ガラス一式をそっくり新しい物へ取り替える形の工事となります。
また、その作りから受注生産となり、納期にお時間を頂く事になります。
なにとぞご理解のほどよろしくお願いいたします。